*日常を化学する〜なぜ水溜りはいつのまになくなるのか〜

朝、通勤や通学の時、昨日降った雨でできた水溜りが、帰りには無くなっている。意識はしていなくても、言われてみればそうだな〜という感じの現象ですよね。今日はこれを、化学してみたいと思います。

では、やっていきましょう。

目次

水溜りがなくなる原因

理由は大きく2つあると思います。

①地面に吸収される

②水が蒸発する  

他にも、「誰かが吸い出す」とか「犬やネコが飲んでる」とかもあるかもしれませんが、上記の①②に比べれば、その割合は圧倒的に少ないと思いますので、無視して話を進めます。

水溜りの水が蒸発する理由

2つの理由のうち、①に関しては、地盤や材質による隙間のでき方など、地学や物理的な要素が大きいので、ここでは解説しません。

②の水が蒸発する理由・しくみを化学してみましょう。

蒸発とは

そもそも蒸発とは、何でしょうか。

この質問に対する答えはこうです。

液体が気体に状態変化すること

状態変化については、こちら↓の記事を参考に勉強してみてください。

あわせて読みたい
化学基礎 ①基礎の化学〜状態変化〜 寒くなってきたにも関わらず、下のヒートテックが1枚しかなくて、2日に1回凍えているaokuookikuです。 今回の内容は、状態変化。 では、やっていきましょう! 【物質の...

水は100℃でなくても蒸発する

多くの人が、「水の蒸発」と聞くと、やかんで水を沸かして、蒸気が出ている様子を連想するのではないでしょうか。

たしかにこの時、液体の水から、気体である水蒸気への状態変化が起きています。

では、20℃の水を温めて、100℃まで上げていく過程の中では、水は一切蒸発していないか、というとそうではありません。その過程の中でも、少しずつ蒸発しているんです。

考えてみてください。「なぜ道の水溜りはいつのまにかなくなるのか」、「どうして水蒸気を材料としている雲が、空気中に多く発生しているのか」。地球上の水のほとんどは海に存在していますが、海の水がブクブクと沸騰しているなんて見たことないですよね?

水溜りがいつのまにかなくなるのと、海の水が蒸発し、雲の材料となる水蒸気が空気中に含まれる現象は、ほぼ同じように説明されます。

この記事を読んで、日常の謎を一つ理解し、これまでとは、違う世界をみましょう。

気液平衡

まずは、気液平衡について知る必要があります。

難しそうな言葉がきたからと、スマホを閉じないでください。ちゃんと説明します。

例えば、ある温度に保たれた密閉された容器の中に、水を入れて空気を抜き、一定時間放置するとどうなると思いますか。

ある程度の時間放置すると、こうなります。

液体の中に存在していた水分子が、上の空間に飛び出すんです。

この理由は、細かいこというと長くなるのでざっくりいきますが、粒が窮屈さを解消するためです。(エントロピーが増大する方向に、自然が進むため。参考記事↓)

【参考記事】

あわせて読みたい
*日常を化学する〜なぜ私たちの周りに酸素がなくならないのか〜 こんにちは、aokuookiku新シリーズ「日常を化学する」へようこそ。 このシリーズでは、日常の中のちょっとした「なぜ?」を、化学の知識をつかって解説していきます。 ...

上に空間あるなら、広いところいこーっていう粒の声が聞こえてきます。人間の心理と同様、粒もなるべく窮屈じゃなうほうがいいんですね。なので、液面から飛び出します。

この時、液体の温度が高いほど、粒は元気に熱運動(振動)しているので、多くの粒が飛び出していきます。

気体となった粒が増えてくると、中には、図のように、再び液体の方にダイブする粒も出てきます。

つまり、液体→気体(蒸発)と、気体→液体(凝縮)が同時に起こるようになり、

液体中から飛び出す粒の数=液体にダイブする粒の数

という関係が成り立ったとき、

液体と気体の粒子の数が変化しなくなります。

この状態を、気液平衡と呼びます。

蒸気圧

そして、気液平衡が成り立っている時の気体の圧力を、蒸気圧と呼びます。

蒸気圧は下のグラフ(蒸気圧曲線)のように、温度が高いほど、大きくなります。

気液平衡が成り立っているときに、気体の圧力は、蒸気圧を超えることはありません。

*気体の圧力は、粒の窮屈さでイメージします。

温度高いほど、たくさん蒸発してくる→同じ体積中の粒の数が多い(窮屈)→気圧が大きい

みたいな思考の順路です。

本題へ

ここまでくると、ほとんど答えがみてきたのではないでしょうか。

「なぜ水溜りはいつの間にかなくなるのか」

それは、液体をつくっている粒が、

自分の窮屈さを解消しようとして液面から飛び出していき、気液平衡の状態になろうとするからです。

ですが実際、水溜りの上にある空間は、非常に大きな空間であり、蒸発した粒は、風など別の場所にすぐに移されてしまいます。つまり、自然の中で、「水溜りとその上の空間」や「海とその上の空間」では気液平衡の状態にはならず、ひたすら蒸発が起こり続けている、ということになります。(もちろん、温度によってその量は異なる)

これが、いつの間にか水溜りの水がなくなっている理由の一つです。液体の水が蒸発してどっかにいなくなっているんですね。そこには、気液平衡や蒸気圧という化学が結びついています。

おまけ

おまけとして、蒸発と沸騰の違いを簡単に。

蒸発はご存知の通り、液体から気体へ状態変化することを言います。

対して沸騰は、蒸気圧と大気圧が一致した( または蒸気圧が大気圧を超えた)状態変化で蒸発している様子のことです。

この沸騰が起こると、皆さんのイメージ通り、ブクブク泡が出ます。

なぜかというと、↓

つまり、

蒸発は、液体から気体の状態変化。沸騰は、限定的な条件で起こっている蒸発ということです。

20℃で水は、蒸発してるけど、沸騰はしてないよね。ってことです。

長くなりました。発展化学の内容も、出てきてちょっとややこしくなってしまった…

ここまで、付き合ってもらってありがとうございます。

以上です。お疲れ様でしたー。

よかったらシェアお願いします!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次
閉じる