こんにちは、先日の試合で、やっぱり体力がないと集中力も続かないな、と実感したaokuookikuです。#やはり動かないと、だって動物だもの
今回は、「金属結合」についてまとめておきたいと思います。
前々回の「イオン結合」、前回の「共有結合」に続き、物質の性質を決定する「粒のつながり方」の最後の一つです。
何と何を結びつける結合か
金属結合は、金属元素と金属元素を結びつける結合です。
金属元素と非金属元素は、以下の周期表で覚えましょう↓
ただ、覚えておきたい金属元素は、ここに出てる分だけでは足りないので、
追加で、亜鉛Zn, 鉄Fe, ニッケルNi, スズSn, 鉛Pb, 銅Cu, 水銀Hg, 銀Ag, 白金Pt, 金Au
ぐらいはぼちぼちと覚えておきたいところです。
どう結びつけるか
原理は、以下の通りです。
例えば、上の図のように金属の単体(ここでは、銀 Ag)があったとすると、
銀原子が集まって物質を構成しているというよりは、銀イオン(Ag+)が集まり、
その間を電子が自由に動きながら、銀イオン同士の間を取り持っている、というイメージです。
*この自由に動き回る電子を自由電子といいます。
少し踏み込んで…
ここで少し踏み込んで細かいところまで説明しておくと、
銀イオンが集まってできているからといって、銀の単体をAg+と表記するわけでなく、
Agと化学式で表記するところです。
この理由は、銀イオンの間を動いている自由電子も考慮しているからです。
自由電子は銀イオン一つに対して一つの割合で存在しているので、合わせて銀Agだよねってことです。
(Ag+ + e– → Ag)
金属結晶
この金属結合によってできた結晶(固体)を金属結晶といいます。
金属結晶は、次の3つの性質を持ちますので、押さえておきましょう。これらの性質は、自由電子によってもたらされるので、金属結合によってできた金属結晶の特徴になります。
①金属光沢を持つ。
②電気伝導率、熱伝導率が高い。
③展性、延性を持つ。
です。
これらの性質の度合いは、金属の種類によって変わってきます。
日常に使われている金属はその用途によって、適切な種類のものを利用しています。
電線に関する化学
日本にある電線を全て繋ぎ合わせると、約520万kmになると言われています。(2010年データ古くてすいません、まあ新しくできたり、撤去したりとだいたい同じぐらいでしょう #そんなもん)
この距離は地球と月を6往復半できる長さです。まあとりあえず長い。
この電線は、もちろん電気を運ぶためにあるわけですが、その素材はなんでしょう。
電気を効率よく運ぶためには、電気伝導率の高い金属を利用したいですよね。
電気伝導率が低いと、せっかく作った電気が移動中に熱など別のものに変わってしまうので。
じゃあ最も電気伝導率が高い金属は何か。
それは銀Agです。
…電線、銀でできていると思います?#いや、みんな盗むだろ
はい、その通り、電線は銀ではなく、銅Cuでできています。
理由は、もちろん金属の価格です。
1kg当たりの価格は、銀80000円前後、銅1000円前後(2021年9月ごろ)です。
コスト面から、電線には銀ではなく銅を使用しています。
超伝導状態
金属に関してもう一つ。
金属の電気伝導率は、同じ金属でも温度が低いほど高くなります。
そして、ずっと温度を下げていくと、ある点で伝導率が100%になる温度がきます。
この状態を超伝導状態といいます。
この状態になると、伝導率が100%になるだけでなく、マイスナー効果(磁束が物体を貫通しなくなる)など、常温の金属では考えられない性質を金属が持つようになります。
リニアモーターカーなどすでに様々なところに応用されている科学です。
この超伝導状態が、日常に近い温度で発現するような研究がなされれば、
私たちの生活は劇的に変わるかもしれません。
「常温超伝導」今後注目しておきたい研究の一つです。
今回は以上です。
また一緒に勉強していきましょう。
では、また。
・「イオン結合」
・「共有結合」
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